私は、このブログの初めのほうで、治療の指導を受けたヨガの先生の話をしたが、その先生の家に初めて泊めていただいたことを今懐かしく思い出した。
二十代の初め、大学院で学びはじめた頃に先生と出会った。当時先生は、○市のある農家の一軒屋を借りてそこに、身の回りのお世話をするご婦人と二人で暮らしていた。指導を受けるようになった最初の頃は、いつも同僚たち三人で先生のお宅にお邪魔してお話を聞くのだが、そのうち私一人で訪ねるようになった。そして、先生は一日中ゆったりとヨガのお話をされて、ふと「今晩は、泊まっていきなさい」と言われた。
なんという歓迎ぶりだろう。単純な私は、躊躇することなく、「はい」と返事して、その日は先生のお宅にとめていただくことになった。
先生の家の風呂は、今はめったにお目にかかることのない五右衛門風呂だった。やじきた道中の物語に出てくるあの風呂だ。足の下にいきなり風呂釜があって、下から火をくべると、その釜が熱せられて、直接足にあたるので、やじさんときたさんは、風呂のふたを湯船の中に沈めようとすると、浮き上がってし まうので、それをやっとのことで沈めて、そのふたにのって熱さに耐えるという話が書かれている。私が体験したときは、風呂釜は確かに熱かったが、耐え難いほどではなく、ジンジンと振動する感じで、暖かさが体全体に伝わってくるようだった。湯冷めしにくく現在の便利になりすぎた風呂では体験できない味わい深いものだった。
本当はその日に体験した不思議な出来事を書くつもりだったが、いきなり五右衛門風呂の話になってしまった。不思議な体験は次回に回させていただく。
先生のお宅に泊めていただくことになった話の続きである。
風呂から上がって、少しやすんでから、奥の部屋に入った。布団は、お客さん用のとてもきれいな布団だった。自分がこのように歓待されるのは初めてのことで、思わず涙が出そうになったが、そこはジッと我慢した。
気持ちが高揚していたのかどうかわかないが、寝床についたものの、すぐには眠りに入ることができなかった。横向きに耳を枕にあてがっていると、どこか遠くで、ざら板を踏んでいる音が聞こえてきた。それどころか、学生たちがそこで靴を脱いで、それを下駄箱に入れて、自分たちの部屋に戻っていくような様子が、ざら板を踏む音とともにありありとしたイメージとして眼前に浮かんでくる。それがなんであるかは翌日の先生のお話を聞いてわかった。私が昨夜の夢の中のようなことを体験したことを先生に告げると、先生の家から二百メートルほど離れたところにお寺さんが経営している学生寮があって、その寮の学生たちの様子が音を通して伝えられたのだろう、とのこと。それを聞いて、人間には不思議な能力が眠っているのだと思った。そして、そのような能力に気づくことができた先生のお宅は不思議な空間であると思った。
不思議な体験
2010年09月15日 · コメント(2) · 未分類
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Janelle // 2017年03月28日 8:15 AM
Fantastic post however , I was wanting to know if you could write a litte more on this
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Dianna // 2017年05月07日 5:20 AM
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