私は二十代の時に、ヨガに興味を持ち、先生の自宅で教えて頂いた。教えと言っても、ヨガの教典の話でもなく、先生が実際になされた治療にまつわる体験談というものだった。
私は一ケ月に一度ぐらいのペースで、先生の自宅に訪れ、先生の話を伺った。先生はよく「立ち上がらなければならない」ということを仰っていた。当時は、その意味が正直よくわからなかった。「立ち上がらなければならないと言ったって、もうすでに立って歩いているではないか」という思いが私の心の中で響いていた。先生の言う「立ち上がる」とは、私たちが立って歩いていることではなかった。それから、よくこんなことも言っていた。「褌を締めて、取り組め」と。
「褌を締めて」とは、その時も初めの頃はよく意味がわからなかったが、やがてその意味がはっきりと分かってきた。ヨガのヤーマ・ニヤーマを御存知の方は、この意味がはっきりとお分かりのことと思う。
それから、先生はある日、私に「エーテル体」(これはアリス・ベイリーの「テレパシーとエーテル」という題名の著書の抄訳であった)と題された小冊子を渡して、この本を熟読しなさいと言った。しかし、当時の私にはとても内容が難しく、書かれている内容は、おぼろげにしか分からなかった。その中の分かった部分を少しご紹介したい。
1.人間の肉体はエーテル体に従ってできている。
2.肉体よりもエーテル体の方がはるかに大切である。
3.人間はアストラル体(感情体)に意識を集中している。
4.エーテル体に意識を向けていない。
5.一切の形態はエネルギーより成る。
6.宇宙に存在するものは、太陽系も惑星も、人類を含む自然の諸王国(人間王国、動物王国、植物王国、鉱物王国)もすべて、微妙で触れえぬが実在するエネルギー形態を持つ。それをエーテル体と呼ぶ。エーテル体は、その外面に見られる物質体を、人間の場合は肉体を支配し、統御する。
7.我々は一人残らず地球大生命の意志エネルギーの中に生きている。だから、地球大生命が意識される七つの世界のうち、少なくとも一領域から来る力の糸が循環し織りなして、エーテル体を構成する。
8.・・・・・」
とまあ、このようなことが書いてあるわけだが、日常的常識的な思考の領域から、遙かにかけ離れた内容だから、初めて目にしても、チンプンカンプンというのが正直なところだった。
その後、先生がお話なさっている難しいことは、大抵はこの小冊子に示されていることだったと気づくようになった。つまり、先生はこの小冊子の内容をすべて暗唱されていた。
先生のお話を伺うかぎりでは、先生は昔の尋常小卒の学歴しかなかったから、これは驚くべきことだった。私は大学で学んでいたから、教養という点では、先生を越えていると自負していた。しかし、先生は私が読んでもよく理解できない、「エーテル体」という小冊子を暗唱されるほど熟読吟味されていたのだ。
ヨガの教え
2010年10月19日 · コメント(1) · 未分類
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Gaston // 2017年03月28日 3:36 AM
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