盲目のピアニスト
十年ほど前の話です。
私は家庭に問題を抱えて瞑想にも行けず、
大学で習得した資格を生かせる仕事にも就いておらず、
やむを得ず就いた仕事は
自分の体力に合わず
疲れて家に戻れば、
ただ寝るだけという消耗する生活を送っていました。
ある日新聞の勧誘員が家に訪ねてきて、
三ヶ月新聞を購読する契約をすれば、
有名なレストランで中国料理を食べること、
愛知芸術劇場で開催される、
クラッシック音楽の演奏会に招待すると言って勧誘しました。
正直なところ、
新聞を購読するほどの豊かさは
ありませんでしたけれど、
クラッシック・コンサートに招待してくれると聞いて、
心動かされました。
曲目をたずねると、
ラフマニノフの
ピアノ協奏曲第一番だと教えてくれました。
どのような音楽であるか知りませんでしたが、
私はただ音楽を求めていました。
本能的なものだと思います。
中国料理のレストランで、
がっかりさせられましたので、
愛知芸術劇場にも、
あまり期待せずに出かけました。
ピアノ演奏者は、
今では誰もが知っている辻井伸行さんでした。
当時はあまり有名ではありませんでした。
盲目のピアニストと紹介されて、
「新聞購読の契約のえさにされるコンサートだから仕方ない」
と失礼にも考えていました。
しかしその演奏を聴いてびっくり。
まさしく天才ピアニストでした。
辻井伸行さんは12才で、、
アメリカ・カーネギーホールでの公演で
大成功を収めた様子がTVで放映されたのを観ました。
今では日本で知らない人がいないほど
有名なピアニストになっています。
初めて聴いた彼のピアノ演奏による
ラフマニノフのピアノ協奏曲第一番が
私はいっぺんに好きになりました。
盲目のピアニスト
2012年01月26日 · コメント(1) · 未分類
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Carin // 2017年05月06日 11:15 PM
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