どこかで読んだ言葉が、
突然頭に浮かびました。
山頂を目指して登るとき、
後から来る人は先に進んだ人の姿を見て、
その人が登りの道を辿っていることを知ります。
その人の足跡を辿ろうとするかもしれません。
イニシエーションの道は、
自分自身が道とならねば、
目の前に道は開けてこないという意味です。
以前に芥川龍之介の「蜘蛛の糸」という作品は、
アンタカラーナを象徴的に述べたものだ、
とブログに書きました。
蜘蛛の糸をキーワードとして入力してください。
カンダタは、自分の後に続いて蜘蛛の糸を登ってくる
地獄の住人たちを登らせまいとして叫びます。
「これは俺の糸だ。お前たちは登ってくるな!」と。
すると蜘蛛の糸が手元から切断されてしまいます。
蜘蛛の糸を独り占めせず、
後から登ってくる人を励ます言葉をかけていれば、
カンダタは地獄から脱出できたかもしれません。
無心に蜘蛛の糸を辿って行く姿を見て、
後に続く人々はカンダタを見習うでしょう。
そしてカンダタは更に上へと登る力をもらう。
イニシエーションの道は、
後から続く人を引き上げることによって、
前方に道が開けて来るという意味です。
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