「正直者がばかををみる」という言葉を
サラリーマン時代には同僚たちからしばしば耳にしました。
しかしこの言葉は神の本意ではありません。
マイトレーヤの三つの教えを知る人は、
嘘をつかないようにし、尚且つ自分が不利益とならないように、
注意深く世渡りをします。
私の父親は「世渡り」という言葉で、
時には袖の下をソット渡して、
便宜を図ってもらう企てが必要であることを、
私に教えていました。
私はそんな父親の世渡りの知恵が嫌でした。
中国では公務員が庶民に便宜を与えるのに賄賂を要求することが
当たり前となっている風潮があります。
中国文学の作品には、
そのような中国の風潮が描かれています。
袖の下を使って便宜を図ってもらうというのは、
魯迅が故郷という作品の中に描いた
中国の人たちの少しでも他者からむしりとろうとする
庶民の意識と同じように思われます。
袖の下を使ってまで、
自分に有利な便宜を得ることをよしとしない人は、
世の中の不条理を体験します。
正直者は馬鹿をみます。
すぐには得しないとしても正直を貫くと、
最後には金の斧と銀の斧と鉄の斧の三つの斧が手に入ります。
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