認知症の人の物忘れをジョークに書いたことがあります。
物忘れではありませんが、
病院の同じ病棟にいるご婦人で、
認知症に似た、
老年の疾患にかかっている人のことを書きます。
老婦人は、朝早くから夜遅くまで絶えず叫び声をあげて、
他の入院患者さんに迷惑をかけていました。
叫んでいる言葉はいつも同じことの繰り返しです。
「オネーちゃん、帰ろ」と言っています。
見かねた看護師さんが、
その人を車いすに乗せて私たちの部屋に連れてきました。
「体をふくタオルを要りませんか?」と、
看護師さんは私に尋ねました。
「要ります。ありがとうございます」と応えると、
「ありがとうございます」と反対にお礼を言われ、
認知症だと思われる老婦人が、
私にタオルを渡してくれました。
同室の人が不思議そうに私に尋ねました。
「ご知り合いですか?」と。
どうやら、病室の人たちから、
タオルを受け取ることを拒否されることが多いようです。
老婦人はその後しばらくの間、
叫んだりはしなかったです。
自分の行為が誰かの役に立つということを知って、
大声をあげて叫ぶことが人に迷惑だということも、
認識できたかもしれません。
看護師さんの気転に感心しました。
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