私の部屋に訪ねてきた婦人が花瓶のバラの花を見て言いました。
”何か栄養剤でも注入していますか?
それとも毎日水を替えているとか?”
”どうして?”
”お花が生き生きとしている。”
私は気付かなかったけれど、
尋常のバラの花のあり方ではなかったようです。
一週間前、この施設に勤めるスタッフの一人が、
その日限りで施設の仕事をやめることになりました。
私はその話を入居者の一人から聞いていましたので、
兄と出かけたついでに、バラの花を購入して、
お別れの挨拶としてプレゼントしました。
プレゼントすると聞いたお花屋さんが、
おまけに二本も追加してくれました。
その中の一本を自分の部屋に飾りたいと思って、
花束から一本抜き取ると、
兄が”四本は、失礼になる。
三本にしよう”と言って、
二本を私の部屋に飾りました。
そのバラの花が、
一週間経っても萎れず生き生きとしていることに、
婦人が不思議に思ったのでした。
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