秘教日記

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新しい時代に人は大いなる目的を持つ。人類がイニシエーションの 道を発見し、それを辿ることになるということを、ハイラーキーは 予言しています。エベレスト登頂を成し遂げた人々が出現したことは、 ハイラーキーの予言が正しく実現される証しです。世界最高峰登頂の 出来事は、イニシエーション達成の予兆となっています。

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閉じ籠りに寄せて:息子よ(38)

2019年09月07日 · コメント(0) · 日記

他の車がソコソコ走っている道路上では、普通に大人しく運転していたが、途中曲がりくねった山道にはいると、制限速度三十キロという標識が立っているにもかかわらず、恐ろしいスピードで車を飛ばす。私は助手席に座っていて、緊張して体がこわばった。そのために酷く疲れたことを思い出した。
「スピードを落とせ」と強く言っても、そのような忠告を聞くような息子ではなかった。車は、キーキーキーとタイヤをスリップさせながら、曲がりくねった山道を右に左に方向転換させた。家内は後ろの座席に座っていたが、シートにしがみついて、脅えている様子が伺われた。ハンドル操作を誤れば、谷底に転落して大事故につながること確実である。まるでテレビドラマでやるカーチェイスの場面そっくりである。息子は私たちが脅えている姿を一人楽しんでいるかのようであった。
山道を過ぎて、おそらく、県道であっただろう。広くてゆるやかに右にカーブを描いている道だった。小雪がちらつき始め、路面にそれほど雪が積もっているわけではないが、雪で真っ白になりかけていた。他の車を見かけることはほとんどなく、息子は完全に速度制限オーバーのスピードで走っていた。カーブにさしかかった。路面が濡れていて、たぶん少し凍結していたのかもしれない。ハンドルをきっても、車は思うようには右側に曲がってくれなかったのだろう。通常よりも大きくハンドルを右にきった。その瞬間、車はスピンして後ろ向きになって道路をすべっていった。と、同時に息子はブレーキを踏んだ。タイヤがロックされたまま、車は反対斜線を横切って、道路脇にある水路に左側の前後のタイヤを落とす恰好で停止した。危なかった。もし反対車線を走る車がいたら、と想像してぞっとした。
私たち三人は、車から降りて溝から車を引き出そうとしたが、三人の力ではどうにもならなかった。JAFを呼んで、引き上げてもらうしかなかった。しかし、携帯電話はなかった。どなたか通行人を引き止めて携帯電話をお借りするよりなかった。
私たちは、道路際に立って、車が来るのを待った。しばらくすると、十日町方面から、ミニバンの車がやってきた。私たちは手を振って合図をして車を止め、事情を話して電話をお借りしようとした。私たちの姿が目にとまったのか車が停止した。三人の男の人たちが車から出てきて、私が電話をお借りしたいと言う間もなく、溝に嵌まっている車をみて、「これなら自分たちの力で出せそうだ」と言ってただちに溝にはまっている車に近寄っていった。私たちも三人にまじって車のバンパーに手をかけ、セイノーと合図して、車を引き上げた。意外にも車は軽く、すぐに溝から出すことができた。力を合わせると意外に軽い。すると、私たちがお礼を言う間もないほど、三人の方はすぐに車に乗って行ってしまわれた。一体、どこのどなただったのだろう。後から礼状を書こうとしても、住所さえわからない。私たちは、去りゆく車の後ろから「ありがとうございました」と大声で叫ぶしかなかった。

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