○○区のクリニックにふたたびでかけることがあって、昔の閉じこもりの子供を持った父兄たちのグループ・ミーティングに出席した。話を聞いてみると、閉じこもりが解消した子供は、私の息子だけであった。他の人々は、子供が三十才過ぎになっても、いまだに閉じこもりが治っていないという。心の病の癒しがたさを思い知らされた。このとき、息子だけが独立していったのは、奇跡だという認識が私の心の中に芽生えた。
インド旅行への誘い
私は、学習塾だけの収入だけでは、不十分だったので、近所の新聞販売店で朝刊の配達を始めた。しばらく後に、その新聞販売店の従業員の渡部さんといっしょに、奈良と和歌山県の県境付近にある、天河神社におまいりに行った。その神社での瞑想中に、ある神秘体験をした。詳しくは、ここで述べても、ただの自慢話にしか理解されないだろう。それで、瞑想の効果に目覚めて、再びBC氏が勧めるグループ瞑想に復帰した。そこで、安藤さんに出会ったのである。
安藤さんは、サイババの信奉者で瞑想に熟達していらっしゃる。安藤さんの話しでは、「ババ様が他のグループの瞑想を勧めるのは、唯一このグループ瞑想です」と仰っていた。さまざまな瞑想があって、噂話に、瞑想を熱心におこなって、事故というか、ノイローゼの症状になった人を私も知っている。だから、個人で行う瞑想には慎重な考えを持っている。しかし、グループで行う瞑想にはそのような危険はないと理解している。
安藤さんに、私が翻訳したアリス・ベイリーの本の翻訳本をみせて紹介すると、読みもしないのに、その価値を見抜かれて、高価であったが、すぐに購入したいと言われた。安藤さんは、洞察力がすごいと感じていた。その安藤さんに、インド旅行に誘われたのであった。「鈴木さん、インド旅行にいかない?」と声をかけてくださった。
「わたりに船」とは、このことを言うのだろう。私は、長い間「サイババにお会いして直接息子のことのお礼の言葉を伝えたい」と考えていたから。それは、西暦二千二年のことである。
完
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