秘教日記

私の部屋に小さな目覚まし時計がある。パソコン台の上に置いてある。私が老人ホームを出てこのアパートの部屋に引っ越してきた昨年５月に家族の内のただ一人交流がある次兄が自宅にあった目覚ましを置いていってくれた。頂いた当初は頻繁に時刻を合わせるために分針を数分戻す作業を私はおこなっていた。微調整するダイヤルの把手部分が外れてしまったので、そのままにしておいたら、後に次兄が訪ねてきた時「時計はどうした？」と私に聞いた。「時刻調整のボタンが外れて調整できなくなったから、そのままにしてある」と私は応えた。
次兄は自分で時計を手に取り、調整ダイヤルの把手をはめてしばらく時計の修理をしていた。やがて、時計が正しい時刻を指すようになったのか、時計を置いて帰っていきました。
そのことがあったのは、かれこれ一年ほど前のことでしょうか？不思議なことにその時以来一度も時計の時刻合せのために、微調整ダイヤルを回したことがないこと、動力源の電池は単三の小さな電池ですが、それも１年以上替えてないことに最近気づきました。
あの時の次兄は本当の次兄だったのだろうか？そんな思いが沸きあがってきた。ひよとしたら次兄に変装した神さま、つまり覚者の一人だったかもしれない。私は時々不思議な経験をする。昔、ガンを手術して、急に水道水の水が気になりました。高価な浄水器を月賦で買い使っていましたが数年後に浄水器は老化し、浄水の効果が期待できなくなったので、買い替えたいと思っていたら、浄水器を買った会社の人が訪ねてきて「浄水器の調子はいかがですか？」と聞いてくれました。「古くなって浄水機能が悪くなったので、買い替えようと思っています」と応えたら、「新しく買い替えるなら、同じ製品を何割かお安くします」と言った。値段を尋ねると、とても高くてその時の私の貯金では買えなかった。正直に手持ちのお金の金額を告げ、「高すぎて買えません。諦めます」と告げた。
販売員は何を思ったか、「それなら、展示してある同じ機種の製品と交換してあげます。無償で。」「お願いします」と私は返事しました。
その時の販売員の方も応対の仕方が異常に丁寧で、普通の販売員とは思えない感じでした。そしてひょっとしたら変装した神さまかも、と思いました。
２０年ほど前郵便配達の仕事をしている時、バイクの荷台につけてある赤い郵便入れのボックスが走行中にはずれてこのままでは局までボックスを付けた状態で戻れない、困ったと思った。少し戻った所に自動車修理工場があることに気づき、そこまで戻って修理してもらおうと考えた。それでボックスを片手で抑えながら修理工場まで戻ると、不思議なことに工場の社長さんが、工具を既に手にして待機していた。
私が何か言う前にすぐに工具を持ってバイクに近寄りボックスを荷台にしっかりと固定してくれた。そのボルトのネジのピッチとナッツのネジのピッチは微妙にずれていて、私が配達に出かける前に局のバイク置き場でボルトを締めるときにスパナがうまく回なかったのに、工場の社長さんには少しも困難なく回すのを見て驚きました。後でその時のことを思い出して、あの人は普通の人ではないと気づきました。しかし、そのことを誰かに話しても笑い飛ばされ、私の思い過ごしにされるだけだと考え、人に話さなかった。ひょっとするとマイトレーヤご自身ではなかったかと思い、ＢＣに確認してもらおうと手紙を書きましたが、遂にその返事はなかった。
目覚まし時計の不思議さを思っているうちに、昔の不思議な出会いのことが思い出されました。