マイトレーヤの三つの教えの第一番目は、“マインド に正直に”である。単純な教えのように聞こえるが、世 間の出来事を見るとこの教えがそれほど簡単に実践でき ることではないことが分かる。この教えを紹介している 私自身のマインドを調べてみると、これまでの人生、完 全に正直に過ごしてきたかと言うと、そうは言いきれな い。どこかで自分を偽っていた。小説家太宰治の作品「 人間失格」は自分を偽って生きることの苦しさを描いた 傑作私小説です。小説家の多くは偽りの自分のマインド を発見して、苦しさを感ずる。 世の中には、「嘘も方便」と考えている人もいる。う まく相手の人を騙し、“しめしめ”と思う人は少なくな い。 一頃大きな証券会社が嘘の報告書を提が出して倒産を、 食品を偽って卸していた会社が倒産、自動車会社が排気 ガスのデータを偽り、建築材料を扱うある会社が耐震の ゴム製品のデータを偽り、多くの会社が偽りの業務で、 倒産するか、業務縮小を余儀なくされた。いわば、“マ インドに正直に”は現代社会に生きる私たち全員の共通 の課題と言える。 “マインドに正直に”も三つの段階がある。思うこと 、言うこと、行うこと、これら三つは一直線でなければ ならない、と主は諭される。云うことは、想った通りの ことであるべきだし、行うことは想った通りのことであ るべきである。世の中には言うことや行うことが“思っ ていること”と違うことがおおい。まことに“心に正直 に”は易しいことではない。
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