信頼
昔ある雑誌で読んだことを思い出しました。
インドのお話です。
幼い少女が病気の母親のために、
隣村のお医者様の家を訪ねて、
薬をもらってくるというお話です。
隣村と言っても広い大陸の国ですから、
行って帰るのに二日はかかります。
少女が出かけるとき、
母親はその隣村に行く途中の道で、
追剥が出没するという噂を聞いていたので、
娘に「夜道を歩かないように」と忠告しました。
少女は母のために道をいそぎました。
夜がやってこようとするころには、
隣村までもうすぐの処まで到達していました。
後二、三時間も歩けば隣村に到着できるところまできていました。
暗くなり始めた夕闇の中カンテラも持たず歩いていると、
後ろから誰かがついて歩いていることに気づきました。
長い間後をつけられていたことに気づき、少女は恐怖を感じました。
「きっと、かあさんが話していた追剥に違いない」とその時思いました。
駆け出したくなりましたが、
遠い道を歩いてきたせいか疲れていて力が出てきません。
少女はふと立ち止まって、
後ろを歩いている人の方に後戻りして、
その人に村の名前をつげ、
自分はその村に住むお医者様の家を訪ねて、
病でふせっている母親のために、
薬をもらいに行こうとしてしていると告げました。
もし、そのお医者様の家の場所を知っていたら教えてほしいと頼みました。
男は「自分があんたに尋ねたいぐらいだ」と答え、
少女を追い抜いてどんどん歩いて行ってしまいました。
後から歩いてきた男は追剥であったかもしれないし、
そうでなかったかもしれません。
咄嗟に後戻りして、
男を信頼してお医者様の家の場所を尋ねた少女の気転には、
私たちが学ぶべき法則が秘められているような気がします。
信頼
2014年04月06日 · コメント(0) · 未分類
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