覚者の教え:「和合の教え」
を実践しようとする人たちにとって、
競争という概念は、和合の逆と理解されるかもしれません。
競争と言うと、
スポーツ界のメダル獲得競争を思い浮かべます。
人間社会の競争には、
相手を蹴落としてまで頂点に立とうとする戦いと、
互いに切磋琢磨するという意味での戦いがあります。
前者の競争は、和合の精神から外れるものもあります。
スポーツの世界における競争は、フェア・プレイである限りは、
和合の逆ではないと思います。
かつて芥川龍之介の蜘蛛の糸についてブログを書きました。
次のような要旨です。
大泥棒のカンダタが地獄から抜け出すチャンスを与えようと、
お釈迦さまは天国からカンダタに蜘蛛の糸を下ろします。
カンダタは自分の後から糸をツタって昇ってくる地獄の住人たちを
「これは俺の糸だ」と言って蹴落とします。
すると、蜘蛛の糸はカンダタの目の先でプッツリ切れてしまいます。
蜘蛛の糸はアンタ-カラナの象徴で、
この話は自分一人助かろうとすると
天国に昇るための、、
アンタカラーナは建設できないことを伝えています。
和合の逆の競争とはこれとよく似ていて、
利己的目的の競争です。
動物界で行われる弱肉強食の競争は、
自然の普通の姿と捉える人もいれば、
人間的感覚で判断し、
できれば避けたい、あるまじき姿と捉える人もいます。
確かに、人間界では動物と同じような弱肉強食は卒業すべきだと思います。
競争を思わせることならなんでも、
行うことに躊躇する人もいます。
そのような人でも、
フェアプレイの競争をして、
戦いの後に相手を讃えあうスポーツ選手たちに拍手を送ります。
私の言いたいことは、
動物界と人間界は一線を画していて、
人間界のすべての競争が和合の真逆とは言えないということです。
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