咲き乱れたつつじの花のそばを通ると、
つつじの甘い香りが漂ってきます。
つつじの香りをかぐと、
幼い頃のことを思い出します。
家の庭には、
腕の太さほどの大きなつつじの木がありました。
毎年今頃になると、樹木全体にたくさんの花が咲き乱れ、
私は花を摘み取って、
チューチューと花の蜜を吸っていました。
小学高学年の頃には、
そのつつじの木も、他の多くの庭木とともに、
どこかの庭師さんに売られて行きました。
没落しかかった運送業者の家に私は育ったのです。
立派な灯篭や水鉢に飾られた庭が、
無残な姿になりつつありました。
その後に続く家庭環境となる前は、
幼い頃の私は、幸福でした。
あの頃の純粋さが戻ってくる日が近い。
主よ、お出ましあれ。
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