秘教日記

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新しい時代に人は大いなる目的を持つ。人類がイニシエーションの 道を発見し、それを辿ることになるということを、ハイラーキーは 予言しています。エベレスト登頂を成し遂げた人々が出現したことは、 ハイラーキーの予言が正しく実現される証しです。世界最高峰登頂の 出来事は、イニシエーション達成の予兆となっています。

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閉じ籠りに寄せて:息子よ(32)

2019年09月01日 · コメント(0) · 日記

東野先生は、髪の毛を茶色に染めて、耳には大きなイヤリングを通して、一見するとヤンキーと呼ばれている人たちに似た風采をしていた。だが、話してみると、物腰は柔らかく、自分もアルコール依存症から立ち直って、その病に苦しむ人々を助けたいという思いからカウンセラーの仕事についているということが分かった。私は自分がひどく批判されると思っていたが、東野先生と別れる時には親しみを覚えていた。

月山登山
家内は、私たちが、二人で○○クリニックに通っているあいだに、息子と私の長く対立していた関係を、元の普通の親子の関係に戻ればよいと考えてのことだと思うが、二人でどこかへ旅行に出かけることを提案して、そのお金も用意してくれた。息子に行きたいところを聞くと、東北地方の、鳥海山と月山に登りたいと言った。
二人して、日産プレセアを交互に運転して、といってもほとんど息子が運転することが多かったが、北陸道を経由して、鳥海山と月山のある東北をめざした。
息子は、マンションに一人で住むようになって、休学になっていた高校にはついに通うことはなかったが、しばらくのちに、ゴーカート練習場と自動車学校に通っていた。そして自動二輪の免許だけでなく、普通車の免許も取っていた。家内の話では、子供のときから、F1ドライバーになることが息子の夢であったという。そして、その夢は、私がかつて、「F1のドライバーになりたい」とふと漏らすのを、息子が聞いていたからだという。私はそんなことはまったく忘れていた。
医者の方たちは収入が多く、女性にもてるという話が出ると、「私も医者になりたい」と、半ば冗談で言う。その類の会話で、「あなたはスピード狂だわ」と言われて、「F1ドライバーになりたい」、と語ったかもしれない。そんな内容を子供は、しっかりと記憶しているということだ。
月山登山に向かう途上の話に戻ろう。車の中で息子と多くのことを語り会う機会をその時初めて持つことができた。会話の内容の多くは、忘れてしまった。たぶん息子が関心を抱いていたF1レースの話であったと思う。
息子は子供の時から、F1ドライバーに憧れていたことは前にのべたが、マンションに一人生活しているとき、テレビで深夜に放映されるF1レースをビデオにとり、それを数十本、いや百本以上ストックしていた。あまりF1レースに関心を持たない私はその時の息子の話を殆ど忘れてしまったが、当時、レース中に悲惨な事故で亡くなっていたF1ドライバーのアイルトン・セナについて、息子は語っていた。そして、F1ドライバーは、運転中、数十メートル先の道路に落ちている、直径わずか一センチ足らずの石をも見落とさずに、避けるのだとか、ドライバーの目には膨大な量の情報が次々と目に飛び込んでくるが、それらの情報を瞬時に処理しているのだとか、まるで自分がF1ドライバーになっているかのように話すのであった。

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