息子はカウンセラーを受けつつ仕事に通っていたが、いよいよマンションから荷物をまとめ、自分で探してきたアバートへ引っ越していった。巣立ちの時だと感じた。
この時の仕事が引っ越し社の仕事だったことがおもしろいと感じた。引っ越しは自分の中の整理である。必要な物とそうでない物、取捨選択を迫られる。仕事は仲間とチームを組み共同作業である。弁当を一緒に食べることも仲間との係わりを深めていくようだ。この職場では嬉しい体験をしている。作業中、お客さんの電灯の傘を壊してしまった。当然謝ったが、弁償しなければならない。その時、仲間が頂いた祝儀を出し合い、同じ様な傘を探し出して、一緒に返しに行ってくれた時は、感動したと話してくれた。仕事になれた頃、突発性悪性貧血症に罹る。夏場に水分ばかり補給していたことと、栄養のバランスを崩したことが原因のようだった。入院を勧められたが、通院で治療を続けることになる。この頃は主人もまじえ、食事にでかけたり、一日ドライブ旅行に出掛けたりと交流を持つよう心掛けていた。
息子もE先生の受診で「自分も一、二割り悪かったから。いや、四割り程は自分に非がある」と言うまでになっており、共に過ごす時間が楽しくなり、反発がなくなって来ていた。一、二年前のドライブ旅行では、帰宅時間を守らず、主人をてこずらせていたが(自分が味わった思いはこんなもんじゃないと言う。傷の痛みを何とかしたいと思っていたように感ずる)。今は相手を思いやる対応が出来るようになっていた。信州へのドライブ旅行で、廃線になる電車に乗り、方々を見て回っているうちに、名古屋へ帰る最終電車の時刻に間に合わなくなり、困っていると、時刻表を見て、「よし間に合わせる」と、列車を追越し、二つ先の駅まで車をとばしてくれたことで、ぎりぎり間に合い、ほっとした出来事を思い出す。別れ際、珍しく手を振って車で千葉まで帰って行った。
閉じこもりについて(20)(家内の手記の続き)
2019年12月09日 · コメント(0) · 日記
タグ : バランス
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