秘教日記

カルマ的負債というのは私が学生の時、新幹線のトイレに入ると、財布が忘れられていました。たぶん私の前にトイレに入った人がズボンの後ろポケットに入っていた財布を網棚に置いてからズボンを下げて座って用をたし、財布を忘れてトイレから出たのだと私は推測しました。私はその財布を届ければよかったのですが、魔が差したと云うべきか、その財布を届けず自分のものにしてしまいました。
その後、私は「ヒマラヤ聖者の生活探究」やインドの聖者の教えなどを知り、“他者に行ったことは、必ず自分に戻ってくる”、“他者と見えるものは、己自身である”と云うことを学びました。カルマの法則と思われることを実生活で経験しました。結婚したての頃、家内と私は美術館の前売り券の入場券を手に入れ、美術館が開いた時出かけて行くと長い列ができていました。烈の最後部に並びましたが、入口に達する前に入場券を買い求める二人組の人に前売り券を渡して、列を離れました。
驚いたことに、別の機会に美術館の入場券を買うために並んでいると、見知らぬ人が二人分の入場券を私たちに渡してどこかに行ってしまいました。その出来事は私にキリスト教の黄金法則“自分がして欲しいと思うことを、他者に対して為しなさい”は真実の教えであると認識するに充分でした。
私は自分の大切な免許証を入れた財布をジャンバーのポケットに入れて、息子と遠出のドライブに出かけた折、その財布を落としてしまった。同じコースを辿り、心当たりの場所を探しても、財布は見つからなかった。
ところが、トレーニング・センターでの出来事があった後、私は財布を三回落としましたが、三回とも親切な人が交番に届けてくれました。カルマ的負債が、あの泥棒さんに移ったことを知る出来事でした。