秘教日記

昔、「宝瓶宮福音書」という不思議な本を読みまし
た。イエス・キリストが磔刑後洞窟に埋葬されました
が、その洞窟の入口を塞いでいた大きな岩が数人の白
色同胞団の人々によって開けられ、イエスの体がエジ
プトの大ピラミッドに送られ、王の間の石棺に入れら
れて復活の儀式を受けてピラミッドから出て来るとい
う物語です。
史実を伝えているとは思えない物語ですが、そこに書
かれている言葉の多くは含蓄のあるものでいた。その
一つに人生の荒波をやり過ごす方法を教えるものがあ
りました。情緒界（アストラル界）はしばしば水に譬
えられます。私たちが大波を迎える時、浪の混乱した
渦に巻き込まれないように、水中深く潜って大波をや
り過ごします。その際、私たちは息を止めます。口か
らわずかに漏れ出た息は深い所から水面へと浮かんで
いくとき小さな泡が水面近くでは大きな泡になります
。それと同じように、自分の気づかない些細な想念が
、水面に上がってくると、大きな姿をとります。
秘教治療において、初心者の私たちは治療の効果を
知ると、“患者がよくなったのは、自分がエネルギー
を送ってあげたからだ”と、自分の手柄に密かに思い
を至たし、“エネルギーも自分のもの”という想念を
抱きがちになります。とりわけ、秘教治療の方法を生
活の資を稼ぐ手段にしようと考えている人は。これは
罠です。
あらゆるエネルギーは万人のもの、“これは俺のもの
”と、「蜘蛛の糸」のカンダタのような思い方をすべ
きではありません。