秘教日記

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新しい時代に人は大いなる目的を持つ。人類がイニシエーションの 道を発見し、それを辿ることになるということを、ハイラーキーは 予言しています。エベレスト登頂を成し遂げた人々が出現したことは、 ハイラーキーの予言が正しく実現される証しです。世界最高峰登頂の 出来事は、イニシエーション達成の予兆となっています。

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三日目の朝(3)

2010年08月19日 · コメント(0) · 未分類

正面の建物に目を移すと、壁はパステルカラーの薄いブルーとピンク色に塗られている。淡いオレンジ色の部分もある。全体のイメージとしては、ディズニーランドに、リトル・ワールドというアトラクションがあるが、あの中にでてくる王宮に似ている。テラス風に作られたマンディールの二階部分には、お城の壁の山形が並べられている。側面の帯状の部分には象の絵がいくつも並んでいる。ピンク色と淡いオレンジ色と薄いブルーの壁が交互に並んで乙女心をくすぐりそうな配色である。皮肉めいた言い方をすれば、日本のキィティちゃんというキャラクターグッズを集めていそうな少女たちに受けることまちがいなしのデザインである。しかし、マンディール正面の壇上には、恐らくは大理石製であろう、大きな椅子が置かれ、その前の部分は扇形状になだらかな斜面の広場が作られていて、その下に私たちの座っているホールの床が広がっている。中央部分は四頭の金色のライオンが取り囲んでいる。誰かが、日本の狛犬のようなものだといっていた。私が「純金で作られているとしたら、何億ぐらいの価値があるのでしょう?」というと、「恐らくは、単なる金メッキだよ」という返事だった。
 最初はいかにも幼稚ぽいと感じたデザインだったが、観察しているうちに、これはこのホールに集まってくる人たちに安心感、暖かさを感じさせる巧みなデザインであると気付いた。柱の途中、下から五メートルぐらいの位置にバラの蕾を思わせるような脹らみが設けてある。私はホールにいる間中、バラの香りをかいでいた。そのせいか、その脹らみはバラの花をかたどったものだと思った。
 後から聞くことになるが、安藤さんは、それは蓮の花の蕾をかたどったものだと言っていた。バラの香りのことであるが、この香りはどうやら私だけが嗅いでいたようである。
 およそ十メートル間隔ぐらいで、セバと呼ばれる人たちが立っていて、彼らは背中にブルーのスカーフをつけている。ときどき座り疲れて立ち上がってしまう人、席を乱して広い範囲を自分の縄張りにしているような人に、「サイラム」と叫んで、腰を降ろして整列するように、促している。この場合の「サイラム」は英語の「プリーズ」と同じ意味である。「サイラム」という言葉は、どうやら「お早うございます」とも「こんばんわ」とも「おやすみなさい」とも「御苦労様です」とも「失礼します」とも、ありとあらゆる意味を持つことができそうである。
 何千人という人たちが彼らの指示によって、整列して時間をすごす。毎日毎日決まった時刻に、ほとんど全ての人が白いクルタパジャマを着て整列し、そして座って待つ。ときどき、色ものの衣服を着た人もみかけるが、彼らはセバの人たちによって、ホールから出るように促されるようである。中には、セバの人が言っている言葉が理解できないふりを決め込んで、そのまま居座る外国からきている人もいる。着衣からして統一をよぎなくされる。そして全員で一斉にオームを唱える。これは、大いなる儀式(注19)である。
 座って待つこと一時間ほど。やがて、五十人前後の男性の集団がヒンズー語でサイガヤトリー(注20)を高らかに輪唱しながら行進してホールを横切っていく。透明感のある彼らの声がホール全体に響きわたり、どことなく淀んでいたホールの空気がピーンと張り詰めた感じになる。マンディールからは女性たちのスプラバータム(注21)というバジャン(注12参照)がタンバリンの音とともに聞こえてくる。それはサイババを眠りから起こす祈りだと聞いた。

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