旅の初めは危うい事件があったが、無事に帰国の途に着くことができた。私の心にはなんとも言えない平安というか、安心感がしっかりと腰をおろした感じである。家内もきっと、そうに、違いない。彼女の顔の表情に、かつて彼女を悩まし苦しめていた不安の種が消えていることが読み取れた。
サイババに出会う人は皆、彼に恋をする。女性たちはまるで恋人のように彼を慕う。男性たちは、父親のように彼を注視する。これはサイババから放射されている偉大なる愛のエネルギーのしからしむ所であろう。愛のエネルギーは引きつけ、癒し、平安の覆いで人を包む。燃えるような、恋心にも似た志向の熱情。その熱情は、自分も、あのようになりたい、という聖なる欲望を呼び起こす。サイババに認められる人となりたい。誰もがそのように思うに違いない。サイババはそのように思う全ての人々を引き寄せる。そして、ダルシャンという、大いなる魔術を施して、人々の心を変成していく。
偉大なる魔術のエネルギーは、石炭がダイヤモンドに、粗末な野の草が芳香を放つ美しい花を咲かせる植物に、野獣のごとく餌を求めてうろつく動物が、介護犬や盲導犬のように、人に役立つ働きをする動物へと変身させる。
そして、卑しい道の探究者たちを、偉大なる方たちの仕事を手伝う奉仕者へと変身させる。私は、インドへ行ってそれをこの目で見てくることができた。
クアラルンプール航空の滑走路に豆電球が一列に並んでいる。遠くまで続く照明灯のあかりがイルミネーションのように続いている。まもなく飛行機は、飛び立とうとしている。私はアイ・マスクをつけて眠ろうとしている。頭の中で、今回のインド旅行の回想録の構想を練りつつ・・・
あとがき(2)
2010年09月08日 · コメント(0) · 未分類
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