秘教日記

ベンジャミン・クレーム氏の初期の著作集の中にに、
「不安感」と題された小冊子があります。

内容を忘れましたが、
イニシエーションの道を辿ろうとする人にとって、
最初の課題は不安を克服するというか、
自分のアストラル体を支配することですから、
この小冊子は、以後に書かれた主だった本
「マイトレーヤの使命」第Ⅰ～Ⅲ巻などよりも、
重要な意義を持っているというのが私の考えです。

その小冊子を手にすることができた頃、
ちょうど私は失職して不安感に襲われ、
不安のために夜寝ることができず、
明け方には不安の雲に全身が覆われているような、
変な感覚に捕らわれました。

新しい職に就いてからも、
不安感は解消されず、
私は妻に付き添われ精神病院を尋ねました。

当初、不安は自分だけの問題で済みましたが、
やがて自分の不安のために周囲に、
大きなプレッシャーを与えていることに、
気づくようになりました。

自分の精神的雰囲気が、
周辺の人々にどのような影響を与えているかを検討することは、
自分を知る第一歩です。

精神が積極的になっているなら、
そのことは自分を知る大きな一歩になりますが、
私の場合には、不安に囚われている状態でしたから、
自分を知ると言っても、
そのことはあまり役には立たなかったかもしれません。
それでも自分を知る重要なきっかけにはなりました。

恐怖は、
その対象がはっきりしているのに対し、
不安は対象が明確になっていないという違いがありますが、
いずれもアストラル体の不安定な状態にあることは同じです。

明日は、自分の不安感を乗り越えるきっかけとなったことを、
お話しします。