2ヶ月間入院している間に、
病院のケースワーカーが生活に困らないように、
私のために老人ホームを探してくれました。
最初に私が入居した老人ホームで、
82才のおばあさんと懇意になり、
そのおばあさんが、
タイトルの言葉を教えてくれました。
おばあさんの部屋の壁におばさんがデイサービスで、
習字の時間に筆で書いたその言葉が、
用紙に書いて張ってありました。
部屋に入るなり、
私がその漢字の言葉を声を出して読むと、
おばあさんはちょっと驚いて、
”これまでこの漢字の言葉を
正しく読むことのできた人はいません。
あなたが初めてです”と言いました。
その人はインテリばあさんで、
全世界の国の名前を記憶して述べることができました。
老人ホームに入居している人の多くは、
多かれ少なかれ、
認知症の症状のある人たちばかりですが、
吉祥如意という四字熟語を知っているおばあさんは、
その中で稀な存在です。
私は、
何とか老人ホームを出たいという目標を持ち、
毎日リハビリに努めました。
昨年3月に市の認定調査士がやってきて、
私には認知症がないので、
要介護から要支援の認定に変更されました。
そのため、
要介護専用のその老人ホームを出ることになりました。
お別れの記念におばあさんは、
”吉祥如意”と書いたしおりを作って、
私にくれました。
”吉祥如意”は「正しく望めば、
願い事は思いのままになる」
という意味だと思います。
今振り返って見ると、
最初におばあさんと出会って、
あのことばを教えてくださったのは、
今日の為だったのだという、
思いを強くしています。
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