”坊主憎けりゃ、袈裟まで憎い”
という諺があります。
他方、”アバタもえくぼ”という諺もあります。
感情は好き嫌いによって、
相手の見方が大きくことなります。
話は変わって、
法隆寺の五重の塔を建てた西岡常一氏の指導する、
宮大工たちのグループは桧をナタかんなで削って、
曲がったママの建材を組み合わせて、
均整のとれた堅ろうな塔を建てました。
いわば、木の癖を活用します。
西岡氏の建材の見方に、
私たちが学ぶべきものがあります。
それは必ずしもまっすぐではない木を、
木が育ったままの癖をうまく活用しているからです。
桧も、自分がそだつ環境によって、
力強くなるところと、
弱点となるところがあります。
弱点に注目してばかりですと、
冒頭の”坊主・・・”という感情にとらわれます。
桧も人もその弱点を克服せんとして、
力強くなったところが癖となる。
癖のせいで短所に見えるものは、
長所となりうる。
私たちは、人の癖を見て嫌だと思わず、
”坊主憎ければ・・・”という感情を持たず、
その癖に伴う長所に気づいて、
”アバタもえくぼ”に似た感情を持ちたいです。
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