秘教日記

幼少の頃、
タイトルの疑問がしばしば私を悩ませていた。

というのは、
私は五人兄弟姉妹の末っ子で、
家族の中で邪魔者に
扱われているような気がしていたから。

私が産まれる前は、
運送業で財をなし、
裕福に違いなかった。

庭には立派な石灯籠や大きな椿の木や
つつじの木があり、
大きな屋敷は、

周囲を花崗岩の石垣を積んだ宅地の上にあった

子供の頃に見た家族を写した写真には、
外国製のトラックが並び、
大勢の使用人たちに囲まれて、
赤ん坊の私が写っていた。

しかし、私が２，３歳になる時には、
家は貧乏のどん底、
家は斜陽しかかっていたから、
今考えれば、
三男坊に重きを置かない、
昔の考え方に父母は従っていただけだ。

母は農作業やその他の家のキリモリで忙しく、
父はほとんど家におらず、
私はホオって置かれたのである。

何歳の頃か、正確にはわからないが、
目を覚ますと、
家には誰もおらず、
私はフトンから起きて泣き叫んだことを思い出す。

泣き叫んでも無駄だと気づきすぐにやめた。

小学生1，2年生の頃、
家出をしたことがある。

自分が
ないがしろにされていることに対する反抗でした。
、
絶えず誰かの注目に晒されているよりも
私にとってかえってよかった。

このような環境は独立精神を育てるのに適していた。

どうしてこの家に私は生まれたのか？
という疑問は、
思春期まで続いた。