秘教日記

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新しい時代に人は大いなる目的を持つ。人類がイニシエーションの 道を発見し、それを辿ることになるということを、ハイラーキーは 予言しています。エベレスト登頂を成し遂げた人々が出現したことは、 ハイラーキーの予言が正しく実現される証しです。世界最高峰登頂の 出来事は、イニシエーション達成の予兆となっています。

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閉じ籠りに寄せて:息子よ(14)

2019年08月14日 · コメント(0) · 日記

朝六時に出発して十時スギに現地に到着した。みかん農家がみかんを運ぶのに使っている、一本のレールの上を走るトロッコがすでに設置してあった。私たちはそのトロッコの荷台に長短さまざまなパイプと厚さ五センチ、幅二十五センチ、長さ三メートルのものと、五メートルほどの足場板を載せた。トロッコは灌木の間をぬって山の斜面を這っていく。まるで遊園地のジェットコースターのように、急な斜面をあがったりさがったりした。ただし速度は時速十五キロほどの、のろのろしたものである。三十分ほど進むとモノレールの終点にたどりついた。しかし、そこが最終現場ではない。マシーンを設置すべき現場は、谷を一つへだてた傾斜角四十五度程もある急な斜面の上であった。親方は太いワイヤと滑車をロープにむすびつけて、そのロープの端を谷の向こう側に投げつけた。そして大まわりして谷の向こう側に行き、ロープをひっぱってワイヤと滑車をたぐりよせて、近くの太い木の枝に結びつけた。そして、谷を渡ってワイヤを張り、滑車を使ってその他の荷物を順々に渡していく。
まず、長短のパイプとクランプである。パイプを斜面に打ち込み、クランプで横、斜めとパイプを取りつけてがっしりした骨組みをつくり、そこに厚さ五センチの足場板を載せて台を組み立て、その上に、ボーリングマシン、ディーゼルエンジン、ドラム缶、三又などを載せる。
親方は、すべての段取りを知っている。まず何から向こう側に渡し、どのように準備をすべきかをすべて頭の中に入れている。もし、順序をまちがえたり、材料の数を間違えて足りなくなったりしたら、面倒なことになる。ふたたび、こちら側に戻ってこなければならないからである。準備の日数は跡片付けの日を入れて二日として計算してあるので、無駄な行動は収入の減少に結びつくのである。
マシーンの設置が済むと、水の確保である。現場から数百メートル離れた所に小さな谷川が流れている。その水をドラム缶に蓄えて、掘削時に使うのである。
私の仕事は、谷川の水をドラム缶まで送るためのポンプを動かすガソリンエンジンのガソリンの残量を確認して、燃料を決して切らさないように注意することである。
親方は岩を掘っていくロッドに取り付ける先端部のカッターを慎重に選んだ。岩の硬さにあったものにしなければならない。砂粒のように細かいダイヤを含むマトリックスと呼ばれる部分の金属が適当な硬さでなければならない。硬すぎると最先端の尖った部分が擦り切れて岩がきれなくなっても、ダイヤが露出してこないので、岩を切っていくことができない。マトリックスの部分が適当に柔らかいことが必要となる。岩をきり進むにつれて、マトリックスの部分もすりきれて、あらたなダイヤが露出して歯の部分の鋭さが確保されるからである。

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